2016年12月01日

なぜ日本人は「なぜ日本人は」という題名の本を出したがるのか?

 最近、書店の店頭で「なぜ日本人は」とつく題名の本をむやみやたらと見かける気がするので、国立国会図書館サーチ検索結果)とCiNii Books検索結果)の検索結果をリストアップしてみた。
 題名もしくは副題が「なぜ日本人は」式のものになっているものを列挙してみたのだが、内容の詳細な確認はしていないので、ノイズもあると思われるし、逆に見落としもあるかもしれない。


■1965年

『英語の新しい学び方:なぜ日本人は上達しないか』〔講談社現代新書〕(松本亨/講談社/1965年8月)

■1966〜1987年 なし

■1988年

『なぜ日本人は働きすぎるのか』(猪瀬直樹+信州大学客員講師団/平凡社/1988年12月)

■1989年

『松本道弘の英語革命:なぜ日本人は英語をモノにできないのか』(松本道弘/ダイヤモンド社/1989年9月)
『なぜ、日本人は誤解されるか:低い視点から――国際化と日本人』(安田千恵子/堀内出版/1989年10月)

■1990年

『日本人の失敗:なぜ日本人は国際交渉に弱いのか』(小澤四郎/リヨン社/1990年1月)
『なぜ日本人は英語が下手なのか』〔岩波ブックレット〕(ピーターセン,マーク+ほか/岩波書店/1990年2月)
『なぜ日本人は英語が下手なのか』(ピーターセン,マーク+ほか/京都ライトハウス点字出版部/1990年9月)

■1991年

『甘くて脆い日本人:なぜ日本人は国際交渉に失敗しつづけるのか』(小沢四郎/リヨン社(発売=二見書房)/1991年5月)
『戦略能力の時代:なぜ日本人は戦略が下手なのか、苦手なのか』(北岡俊明/展転社/1991年5月)
『ナゼ日本人ハ死ヌホド働クノデスカ?:対談』〔岩波ブックレット〕(ラミス,ダグラス+斎藤茂男/岩波書店/1991年6月)
『なぜ!日本人は、勤勉・器用・裕福なの?:二ケ国語保存版』(福本和敏/メディア企画/1991年12月)

■1992年

『勝者・日本の不思議な笑い:なぜ日本人はドイツ人よりうまくやるのか?』(エーデラー,ギュンター;増田靖[訳]/ダイヤモンド社/1992年8月)

■1993年

『アメリカ人と堂々わたりあう本:なぜ、日本人は討論・交渉下手なのか』(企業OBペンクラブ/マネジメント社/1993年1月)

■1994年

『「時間」の秘密:知りたかった博学知識:なぜ日本人は「3分間」にこだわるのか』〔KAWADE夢文庫〕(博学こだわり倶楽部[編]/河出書房新社/1994年11月)

■1995年 なし

■1996年

『日本を蝕む精神病理:なぜ日本人は変わってしまったのか』〔ベストセラーシリーズ「ワニの本」〕(和田秀樹/ハローケイエンターテインメント/1996年6月)
『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』(福田和也/角川春樹事務所/1996年12月)

■1997年

『続 なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』(福田和也/角川春樹事務所/1997年7月)
『中国・韓国の歴史歪曲:なぜ、日本人は沈黙するのか』〔カッパ・ブックス〕(黄文雄/光文社/1997年8月)
『言霊 2:なぜ日本人は事実を見たがらないのか』〔NON BOOK 愛蔵版〕(井沢元彦/祥伝社/1997年12月)

■1998年

『なぜ日本人は日本を愛せないのか:この不幸な国の行方』(ウォルフレン,カレル・ヴァン;大原進[訳]/毎日新聞社/1998年3月)
『壊滅:なぜ日本人はかくも幼稚になったのか 3』(福田和也/角川春樹事務所/1998年4月)

■1999年

『日本の決断:なぜ日本人はかくも幼稚になったのか 4』(福田和也/角川春樹事務所/1999年2月)
『なぜ日本人はプレッシャーに弱いのか』(児玉光雄/三天書房/1999年7月)

■2000年

『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』〔ハルキ文庫〕(福田和也/角川春樹事務所/2000年1月)
『なぜ日本人はいつも不安なのか:寄る辺なき時代の精神分析』(岸田秀+町沢静夫/PHP研究所/2000年5月)
『中国人との交渉術:なぜ日本人はいつも中国人に交渉で負けるか?』(李年古/学生社/2000年12月)

■2001年

『言霊II:なぜ日本人は、事実を見たがらないのか』〔祥伝社黄金文庫〕(井沢元彦/祥伝社/2001年9月)

■2002年

『雑学宮本武蔵の人間学:なぜ日本人は不敗の武芸者にひかれるか』〔講談社+α文庫〕(雑学倶楽部/講談社/2002年10月)

■2003年

『なぜ日本人は賽銭を投げるのか:民俗信仰を読み解く』〔文春新書〕(新谷尚紀/文藝春秋/2003年2月)
『なぜ日本人は成熟できないのか』(曽野綾子+クライン孝子/海竜社/2003年4月)

■2004年

『なぜ日本人は日本語が話せるのか:「ことば学」20話』(今井邦彦/大修館書店/2004年3月)

■2005年

『なぜ日本人はイラクに行くのか』〔平凡社新書〕(吉岡逸夫/平凡社/2005年3月)
『なぜ日本人は謝り続けるのか:喝!』(岡本幸治/致知出版社/2005年8月)
『なぜ日本人は「ごんぎつね」に惹かれるのか:小学校国語教科書の長寿作品を読み返す』(鶴田清司/明拓出版(発売=星雲社)/2005年11月)

■2006年

『中国人との交渉術:なぜ日本人はいつも中国人に交渉で負けるか?』(李年古/学生社/2006年9月)
『なぜ、日本人は韓国人が嫌いなのか。:隣の国で考えたこと』(岡崎久彦/ワック/2006年11月)

■2007年

『なぜ日本人は劣化したか』〔講談社現代新書〕(香山リカ/講談社/2007年4月)
『決定力:なぜ日本人は点が取れないのか』(福田正博/集英社/2007年4月)

■2008年

『コスプレ:なぜ、日本人は制服が好きなのか』〔祥伝社新書〕(三田村蕗子/祥伝社/2008年1月)
『なぜ日本人は学ばなくなったのか』〔講談社現代新書〕(齋藤孝/講談社/2008年5月)

■2009年

『なぜ、日本人は?:答えに詰まる外国人の質問178』〔EJ対訳ブックス〕(内池久貴+Office Miyako;ブレーズ,マイケル[訳]/ジャパンブック/2009年1月)
『なぜ、日本人は桜の下で酒を飲みたくなるのか?』(西岡秀雄/PHP研究所/2009年3月)
『なぜ日本人は神社にお參りするのか』(小堀桂一郎/海竜社/2009年6月)
『非社会性の心理学:なぜ日本人は壊れたのか』〔角川oneテーマ21〕(加藤諦三/角川書店/2009年9月)
『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』〔WAC BUNKO〕(石平/ワック/2009年11月)
『一撃必殺の思想:なぜ日本人は「一本」を求めるのか』(飯田祐子/ブイツーソリューション(発売=星雲社)/2009年12月)

■2010年

『考えよ!:なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』〔角川oneテーマ21〕(オシム,イビチャ/角川書店(発売=角川グループパブリッシング)/2010年4月)
『なぜ日本人は落合博満が嫌いか?』〔角川oneテーマ21〕(テリー伊藤/角川書店/2010年5月)
『メディア症候群:なぜ日本人は騙されているのか?』(西村幸祐/総和社/2010年9月)

■2011年

『なぜ日本人はとりあえず謝るのか:「ゆるし」と「はずし」の世間論』〔PHP新書〕(佐藤直樹/PHP研究所/2011年3月)
『なぜ日本人はマネジメントが苦手なのか:「PDCA」ではダメ、「Ph.P手法」で考えよう』(岡本薫/中経出版/2011年3月)
『なぜ日本人ゴルファーは韓国人に勝てないのか?』(茂木宏一/エンターブレイン(発売=角川グループパブリッシング)/2011年4月)
『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか:変わりゆく死刑基準と国民感情』〔幻冬舎新書〕(森炎/幻冬舎/2011年5月)
『なぜ日本人だけが喜んで生卵を食べるのか』〔ワニブックス〈plus〉新書〕(伊丹由宇/ワニ・プラス(発売=ワニブックス)/2011年10月)

■2012年

『なぜ日本人はモーツァルトが好きなのか』〔幻冬舎ルネッサンス新書〕(匠薫/幻冬舎ルネッサンス/2012年2月)
『なぜ、日本人はうまくいくのか?:日本語と日本文化に内在された知識模式化技術〜ナレッジモデリング〜』(七沢賢治/文芸社/2012年3月)
『日本人『発展の力学』:なぜ、日本人はうまくいくのか?:インタビュー編』(七沢賢治+一條仁志/文芸社/2012年4月)
『なぜ、日本人はうまくいくのか? ビジネス編』(七沢賢治+一條仁志/文芸社/2012年5月)
『なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか:新・言霊論』〔祥伝社新書〕(井沢元彦/祥伝社/2012年9月)
『日本語の宿命:なぜ日本人は社会科学を理解できないのか』〔光文社新書〕(薬師院仁志/光文社/2012年12月)

■2013年

『日本人の英語勉強法:在日39年、7000人の日本人を教えてわかったこと:なぜ日本人はこんなにも英語ができないのか? = How to learn English for Japanese』(バーダマン,ジェームス・M/KADOKAWA/2013年1月)
『なぜ日本人は世間と寝たがるのか:空気を読む家族』(佐藤直樹/春秋社/2013年4月)
『なぜ日本人サイドバックが欧州で重宝されるのか』〔宝島社新書〕(北健一郎/宝島社/2013年7月)
『なぜ、日本人はモノを買わないのか?:1万人の時系列データでわかる日本の消費者』(野村総合研究所+他/東洋経済新報社/2013年8月)
『富士山:なぜ、日本人は魅せられるのか?』〔TOWN MOOK〕(徳間書店/2013年8月)

■2014年

『反日プロパガンダの近現代史:なぜ日本人は騙されるのか』(倉山満/アスペクト/2014年2月)
『なぜ日本人は「わきの下」も英語で言えないのか?:学校では教えてくれない英語基本表現1200』〔SB新書〕(セイン,デイビッド/SBクリエイティブ/2014年3月)
『なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか』(本田直之/ダイヤモンド社/2014年3月)
『なぜ日本人は、あの戦争を始めたのか:狂ってしまった日本人の「戦争時計」』(田代靖尚/主婦の友社/2014年8月)
『英語国民の頭の中の研究:なぜ日本人はコトバの壁を越えられないのか』(副島隆彦/PHP研究所/2014年9月)
『「世代」の正体:なぜ日本人は世代論が好きなのか』〔河出ブックス〕(長山靖生/河出書房新社、2014年12月)

■2015年

『なぜ日本人は戒名をつけるのか』〔ちくま文庫〕(島田裕巳/筑摩書房/2015年1月)
『なぜ日本人は「世間」を気にするのか』(三浦朱門/海竜社/2015年1月)
『なぜ日本人は歯を大切にしないのか:後悔のない人生のために:オシャレで元気!』(領木誠一/ダイナミックセラーズ出版/2015年1月)
『なぜ日本人はご先祖様に祈るのか:ドイツ人禅僧が見たフシギな死生観』〔幻冬舎新書〕(ネルケ無方/幻冬舎/2015年5月)
『なぜ日本人は韓国人にこんなになめられ続けるのか?』(金智羽/夏目書房新社/2015年5月)
『なぜ、日本人は横綱になれないのか』〔WAC BUNKO〕(舞の海秀平/ワック/2015年5月)
『なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか』(川口マーン惠美/PHP研究所/2015年6月)
『和を求めて:なぜ日本人は平和を愛するのか』(一条真也/三五館/2015年10月)

■2016年

『なぜ、日本人は考えずにモノを買いたいのか?:1万人の時系列データでわかる日本の消費者』(野村総合研究所/東洋経済新報社/2016年11月)
『なぜ日本人は「のし袋」を使うのか?』〔淡交新書〕(齋藤和胡/淡交社/2016年12月)

 ……気がするどころではない。最近10年くらいの間に露骨に増えている。
 ちなみに私は、この手の問いには基本的に「設問の前提が間違ってる。なんでもかんでも日本人一般の話にすんな」と答えることにしてます。
ラベル:日本人論
posted by 長谷川@望夢楼 at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 書物の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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