一昨年(2015年)11月に立教大学で開かれたシンポジウム「近代日本の偽史言説」が書籍化されました。私の手元には昨日(11月10日)届きました。
私は第4章「「日本古代史」を語るということ――「肇国」をめぐる「皇国史観」と「偽史」の相剋」を担当しました。
目次は以下の通りです。
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=9_14_39&products_id=100823
小澤実編『近代日本の偽史言説』(勉誠出版、2017年11月)
ISBN 978-4-585-22192-0 A5判上製 392頁 3800円+税
序章 偽史言説研究の射程 小澤実
第1部…地域意識と神代史
第一章 偽文書「椿井文書」が受容される理由 馬部隆弘
第二章 神代文字と平田国学 三ツ松誠
第三章 近代竹内文献という出来事―“偽史”の生成と制度への問い 永岡崇
第2部…創造される「日本」
第四章 「日本古代史」を語るということ―「肇国」をめぐる「皇国史観」と「偽史」の相剋 長谷川亮一
第五章 戦時下の英雄伝説―小谷部全一郎『成吉思汗は義経なり』(興亜国民版)を読む 石川巧
第3部…同祖論の系譜
第六章 ユダヤ陰謀説―日本における「シオン議定書」の伝播 高尾千津子
第七章 酒井勝軍の歴史記述と日猶同祖論 山本伸一
第八章 日猶同祖論の射程―旧約預言から『ダ・ヴィンチ・コード』まで 津城寛文
第4部…偽史のグローバリゼーション
第九章 「日本の」芸能・音楽とは何か―白柳秀湖の傀儡子=ジプシー説からの考察 齋藤桂
第一〇章 原田敬吾の「日本人=バビロン起源説」とバビロン学会 前島礼子
第一一章 「失われた大陸」言説の系譜―日本にとってのアトランティスとムー大陸 庄子大亮
偽史関連年表
あとがき
少々お値段がはりますので、気軽に薦めづらいのが難点ですが、それだけの価値はあると思います。
なお、私の原稿は報告のときからは大幅に書き直されています。シンポジウムの際は、私の準備不足で十分で踏み込んだ話ができなかったので……。