幸い、しばらく前に九段下の昭和館に行った際、そこの映像・音響室でこの歌を聞くことができた。
「恨みは深し明神礁」
作詞:大高ひさを
作曲・編曲:長津義司
歌:田端義夫
演奏:テイチク管弦楽団
レコード:帝国蓄音器株式会社
題名からもわかるように、第五海洋丸の遭難を悼んだ歌である。発行年は不詳だが、版元の帝国蓄音器は1953年に社名を「テイチク株式会社」と改称しているので(その後「テイチクエンタテインメント」と改称し現在に至る)、遭難事故(1952年9月24日)から間もない時期に発行されたものであることは間違いなさそうだ。
あいにく歌詞カードが見られなかったので正確な歌詞はわからないし、わかったところで全文を引用すると著作権上のトラブルが生じることになるが、ともかくこの中で田端義夫は
♪ああ我が領土極めんと 気負いて船出
と歌っている。
おそらく当時の一般的感覚としては、やはり「日本の新領土・明神礁!」というイメージが強かったのだろう。当事者たちはおそらく、この島がうたかたの幻にすぎないことを予測していたはずなのだが。
父を事故で亡くし、高校進学・・窓から相模灘を見てる時、ラジオからこの曲でした。自然科学に興味を抱いてた時期でした。間接的にも第五海洋丸にも関係在り、ヒントを改めて有り難う御座いました。