2005年04月21日

「恨みは深し明神礁」

 だいぶ以前の話になるが、「恨みは深し明神礁」という歌を知らないか、というメールをいただいたことがあった。そのときは全く何もわからず、お答えすることも出来ないままになってしまい、そのままずっと気にかかっていた。

 幸い、しばらく前に九段下の昭和館に行った際、そこの映像・音響室でこの歌を聞くことができた。

「恨みは深し明神礁」
  作詞:大高ひさを
  作曲・編曲:長津義司
  歌:田端義夫
  演奏:テイチク管弦楽団
  レコード:帝国蓄音器株式会社

 題名からもわかるように、第五海洋丸の遭難を悼んだ歌である。発行年は不詳だが、版元の帝国蓄音器は1953年に社名を「テイチク株式会社」と改称しているので(その後「テイチクエンタテインメント」と改称し現在に至る)、遭難事故(1952年9月24日)から間もない時期に発行されたものであることは間違いなさそうだ。

 あいにく歌詞カードが見られなかったので正確な歌詞はわからないし、わかったところで全文を引用すると著作権上のトラブルが生じることになるが、ともかくこの中で田端義夫は

♪ああ我が領土極めんと 気負いて船出


と歌っている。
 おそらく当時の一般的感覚としては、やはり「日本の新領土・明神礁!」というイメージが強かったのだろう。当事者たちはおそらく、この島がうたかたの幻にすぎないことを予測していたはずなのだが。
posted by 長谷川@望夢楼 at 04:36| Comment(2) | TrackBack(1) | 地図・島嶼・領域 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お気遣い戴き有り難う御座います、書き込みは私と思います。A面B面哀調を帯びたメロディーは、今も口ずさみますが、歌詞がおぼろげで、紫紺の海を乗り越えて八丈遠く青ヶ島・・・・
父を事故で亡くし、高校進学・・窓から相模灘を見てる時、ラジオからこの曲でした。自然科学に興味を抱いてた時期でした。間接的にも第五海洋丸にも関係在り、ヒントを改めて有り難う御座いました。
Posted by 伊藤 at 2005年12月23日 15:16
どうも。その節はお答えできず申し訳ありませんでした。少しでも心のつかえが取れた気分です。
Posted by 長谷川@望夢楼 at 2005年12月29日 07:45
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明神礁
Excerpt: 明神礁明神礁(みょうじんしょう)とはベヨネース列岩の近くに位置する海底火山である。1952年噴火の際に、第11明神丸が発見報告をしたことから、命名された。なお、1952年9月24日には、噴火を観測中の..
Weblog: 天災研究
Tracked: 2005-08-21 16:51
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