私の2冊目の本が、吉川弘文館の歴史文化ライブラリーから上梓されることになりました。
題名は『地図から消えた島々――幻の日本領と南洋探検家たち――』。発売予定は今年(2011年)5月です。
「幻想諸島航海記」の直接の書籍化というわけではなく、「航海記」で書いてきたことをもとにした書き下ろしです。登場するのはロス・ジャルディン諸島、アブレオジョス島、イキマ島、グランパス島、そしておなじみ中ノ鳥島。
主な登場人物は、横尾東作、玉置半右衛門、榎本武揚、石沢兵吾、松岡好一、水谷新六、高崎五六、津田仙、鈴木経勲、依岡省三、志賀重昂、三宅雪嶺、田口卯吉、小美田利義(隆義)、広瀬武夫、古賀辰四郎、横山源之助、小林富次郎、中村十作、川澄徳次、西沢吉治、恒藤規隆、山田禎三郎、平尾幸太郎、大平三次など。いったいどういう脈絡があるんだ! と思われるかもしれませんが、いちおう全員何らかの形で関与してます。明治人の活動範囲の広さにはつくづく驚かされます。
というわけですので、「航海記」ファンの皆様、どうかご期待くださいませ。
……しかし、これでますます「お前の専門はいったい何なんだ」と言われそうだ。
出版され次第、購入したいと思います。
樺太千島交換条約も思い出しました。
それだけ連想できれば立派なものだと思います。普通は箱館戦争止まりでしょうね。しかし榎本は、じつは、明治期南進論と移民政策の最大のキーパーソンなんです。移民政策についてはメキシコ榎本移民との関連で触れる人がいますけど、南進論についてはあまり触れられないのは(無いわけではないが)問題があるように思います。そうした状況に一石を投じることにでもなれば、と……。