断っておくが、成田を盛りたてるべきだ、と思っているのではない。そもそも、開港の経緯からして、あの空港の存在自体に決して好感を持つことができないのである。そもそも、成田空港から直接“恩恵”を受けるような地域に住んでいるわけでもないし(まあ、“恩恵”を受ける地域では、騒音もひどかったりするのだが)。
何が言いたいかというと、そんな議論は43年前にすべきことだったのではないか、ということである。都心から遠すぎる、ということなど、1966年(昭和41)の設置決定の時点でわかっていたことである。空港の規模にしても、確かに反対運動のために縮小を余儀なくされた点も一部にはあるが、もともと、設計段階から、国際空港にしては規模が小さいことが指摘されていたのである。当時からそうした議論をしておけば、そもそも空港が成田に来ることなどなかったし、したがって、戦後最大級の反対闘争が繰り広げられ、数十年の長きにわたって問題がこじれ続けることも、そして、地域社会がずたずたに破壊されることもなかったはずである。
まあ、若干の弁護をしておけば、1966年当時は、新幹線も高速道路も通すから問題はない、ということになっていたのも事実である。結局のところ新幹線は通らなかったし(やはり、地域住民にとっては騒音がうるさいだけでメリットが皆無、という致命的な弱点があったのが痛い)、高速道路は通ったもののアクセス問題の解決にはならなかったのだが。
ラベル:千葉県
>長谷川さんの本を、繰り返し読んでいます。
どうもありがとうございます。