2016年12月22日

日本の大学で博士の学位が取り消された事例集(2012年〜2016年)

日本の大学で博士の学位が取り消された事例集(2011年まで)の続き。

◆2012年5月/大分大学/博士(医学)[論文博士]

 2000年6月30日大分医科大学(2003年に大分大学に合併)より学位授与、2012年5月22日取消。詳細不明。

【大学側発表】
※2016年12月22日現在、大分大学のサーバ上からは削除されている模様。かつては http://www.oita-u.ac.jp/01oshirase/gakuihenkan.html に情報があった。

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000207742
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000000405783

◆2012年6月/獨協医科大学/博士(医学)[2件、論文博士]

 (1) 2006年2月23日学位授与と (2) 2009年2月24日学位授与の2名について、2012年6月26日取消。
 取消理由は「不正論文とみなされた論文」「学術誌の掲載が取り消しとなった論文」が含まれていた、というもの。2名は面談の結果、学位記を自主返還した。

【大学側発表】
学位記取消について(2012年9月3日)
http://www.dokkyomed.ac.jp/dmu/news/20120827-1686.html

(1)
【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000344579
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000010379076
(2)
【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000474319
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000008274307

◆2012年10月/神戸大学/博士(教育学)

 2011年3月25日神戸大学人間発達環境学研究科博士課程後期課程より学位授与、2012年10月18日取消。中国人留学生。
 2011年8月、研究紀要に掲載された論文について、別の研究者から「自身の論文と内容、表現が酷似している」とする指摘がある。人間発達環境学研究科教授会は同年10月に「無断引用」と認定、さらに、この紀要論文が博士学位論文にも使用されていたため、2012年1月、研究科教授会は不正な学位取得と認定した。10月18日、教育研究評議会が不正と認定。博士学位論文の序章と第1・3・5章に不適切な引用があり、特に第5章の「考察」の大部分が「無断引用」だった。

【大学側発表】
学位授与の取消し及び学位記の返還について(2012年10月31日)
http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/topics/t2012_10_31_01.html

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000547122
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/023252919

◆2013年10月/早稲田大学/博士(公共経営)

 2010年9月15日学位授与、2013年10月21日取消。中国人留学生。
 2011年8月・10月、2013年2月と3度にわたり匿名告発があり、2012年11月に大学院公共経営研究科で内部調査を行ったところ「不適切な引用行為」が確認された。2012年12月に政治経済学術院に研究倫理委員会が設置され調査が始まった。2013年10月21日学位取消決定。後日、学位記が返還された。
 少なくとも64ヶ所について「不適切な引用」があり、うち12ヶ所は明確な盗用だった。

【大学側発表】
博士学位取り消しについて(2013年10月21日)
https://web.archive.org/web/20150502094105/http://www.waseda.jp/top/information/6516

※2016年12月22日現在、早稲田大学のサーバ上からは削除されている模様。

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000542902
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000011257115

◆2014年8月/大阪国際大学/博士(経営情報学)

 2012年3月14日授与、2014年8月1日取消。中国人留学生か。
 2014年4月、盗用されたする本人から、弁護士を通じて盗用についての調査を求める要求が出されたため、調査を行ったところ、第4章に多くの盗用があったことが判明した。2014年9月18日、学位記が返還された。

【大学側発表】
博士学位の取消し等について(2014年9月29日)
http://www.oiu.ac.jp/re-news/archives/2014/09/291300.html

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000556452
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/023730964

◆2014年10月/早稲田大学/博士(工学)

 2011年3月15日早稲田大学理工学術院先進理工学研究科生命医科学専攻より学位授与、2014年10月6日取消(1年間の猶予付き、2015年11月2日確定)。
 2014年1月、当時理化学研究所に所属していた当該人物が『ネイチャー』誌に2本の共著論文を発表し(2本とものちに撤回)、大きく注目されるが、直後に論文内に不自然な箇所があるとする指摘がなされ、理化学研究所と『ネイチャー』誌が調査を開始。また有志による調査の過程で、早稲田大学に提出され国立国会図書館に納本されていた博士学位論文についても、盗用およびデータ捏造の疑惑が指摘された。
 2014年3月31日、早稲田大学大学院先進理工学研究科が調査委員会を設置。7月17日に早稲田大学総長に提出された調査報告書においては、著作権侵害11ヶ所などが認定された。しかし、当該人物が「誤って博士論文草稿を製本し、大学に提出した」と主張し、委員会は重大な研究不正を認めたものの「博士学位の取り消し要件に該当しない」と判断。10月6日、早稲田大学は「博士学位の取り消し」を決定したが、再提出まで1年間の猶予期間を与えた。2015年11月2日、早稲田大学は、猶予期間が満了し学位取消が確定したと発表した。

※2010年の東京大学大学院工学系研究科の事件に引き続き、インターネット上での問題提起(クラウド査読)が注目を集め、さらに、『ネイチャー』誌への論文掲載時から一般マスメディアでも大きく取り上げられていたこともあって、学界のみならず一般的にも大きな騒ぎとなった。1年の再提出猶予期間を置いた例は、国内では他に見られないが、結局、再提出はなされなかった。

【大学側発表】
「先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会」調査報告について(2014年7月19日)
https://web.archive.org/web/20141008144902/http://www.waseda.jp/jp/news14/140717_committee.html
先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会調査報告書
http://www.waseda.jp/jp/news14/data/140717_committee_report.pdf
早稲田大学における博士学位論文の取り扱い等について(2014年10月9日)
https://web.archive.org/web/20150320164319/http://www.waseda.jp/top/information/14763
早稲田大学における博士学位論文の取扱いについて(2015年11月2日)
http://archive.is/20151102155622/http://www.waseda.jp/top/news/34191
OH氏のコメントに対する本学の見解について(2015年11月5日)
http://archive.is/20151104235047/https://www.waseda.jp/top/information/34235

※2016年12月22日現在、早稲田大学のサーバ上からは、報告書本体など一部を除いて削除されている模様。

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000543019
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000011257903

◆2014年12月/徳島大学/博士(医学)[論文博士]

 2002年3月28日学位授与、2014年12月22日取消。
 学位論文が、東京大学分子細胞生物学研究所エピゲノム疾患研究センター長(2012年3月辞職)の研究室による大規模な実験結果の捏造・改竄事件(「2015年3月/東京大学/博士(農学)」の項を参照)に関連したものであることが判明し、当該論文が掲載誌から撤回され、また、東京大学での調査でも当該論文に捏造・改竄が認められたことによる。

【大学側発表】
学位の取消しについて(2014年12月26日)
http://www.tokushima-u.ac.jp/docs/2014122600039/

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000223601
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000003542371

◆2015年3月/東京大学/博士(農学)[3件]

 (1) 2005年3月24日学位授与、 (2) 2005年10月3日学位授与、 (3) 2007年3月22日学位授与、の3名について2015年3月23日付で学位取消。 (2) は論文博士。 (3) は元東大助教(2009〜13年)。
 東京大学分子細胞生物学研究所エピゲノム疾患研究センター長(2012年3月辞職)の研究室による大規模な実験結果の捏造・改竄に関与し、提出論文にも捏造が発覚した。東京大学としては3〜5人目の学位取消(上記の通り、この事件では他に徳島大学で1名が学位取消となっている)。

【大学側発表】
記者会見「東京大学分子細胞生物学研究所・旧K研究室における論文不正に関する調査報告(最終)」の実施について(2014年12月26日)
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_261226_j.html

※その他、東大から発表された関連記事は以下を参照。
科学研究行動規範に関する報道発表資料等
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/administration/codeofconduct/press.html

(1)
【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000340174
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000008171366
(2)
【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000360733
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000008491107
(3)
【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000431423
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000009311387

◆2015年3月/大正大学/博士(仏教学)

 2012年3月15日学位授与、2015年3月4日取消。
 外部から盗用の指摘があり、2014年12月17日に学長より仏教学研究科に調査が命じられ、2015年1月14日、仏教学研究科において盗用の事実が確認された。

【大学側発表】
博士の学位の取消しについて(2016年4月12日)
http://www.tais.ac.jp/guide/latest_news/20160412/41312/

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000578025
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/024924550


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日本の大学で博士の学位が取り消された事例集(2011年まで)

 日本国内の博士論文データベースである CiNii Dissertations(CiNii-D)、国会図書館OPAC(NDL-OPAC)、各大学がウェブ上で公表している資料、「聞蔵IIビジュアル」(『朝日新聞』)・「ヨミダス歴史館」(『読売新聞』)などを利用して、日本の大学で博士の学位が取り消された事例について調べてみた。なお、個人名についてはさしあたり伏せる。

 学位論文にまつわる不正自体は古くから噂されていたようであるが、実際に学位取消に至ったことが確認できる事例は、20世紀末までほとんど見られず、2010年ごろから急速に増え始めたようである。
 以下、配列は学位取消の年代順による。分量が多いため2011年までで一区切りする。

◆1970年2月/東北大学/農学博士[論文博士]

 1967年4月20日付学位授与。1970年2月28日、東北大学大学院農学研究科委員会の委員長が、博士学位論文の取り消しを委員会で合意したと発表した。ただし、実際に取り消されたかどうかは未確認(データベース上では取り消しとはされていない)。
 提出者は元東北大学農学部助手(1970年当時は広島大学水畜産学部助教授)だが、指導教官の論文の一部がそのまま使われていることが問題化し、院生たちが抗議していた。この事件では農学部水産学科の教授・助教授ら4人が自発的に謹慎している(『朝日新聞』1970年3月1日付朝刊)。
 なお『朝日新聞』は、文部省大学学術局の「学位論文が盗作だったとして問題になった例はあるが、そのために学位が取消されるというのは、きわめて異例だ」というコメントを紹介している。

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000422746
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000009252194

◆1994年5月/筑波大学/博士(教育学)

 1990年3月筑波大学大学院体育科学研究科より学位授与、1994年5月30日取消。
 提出者は学位授与当時は日本体育大学学長。他の大学院生の論文からの盗作が噂されたため、1994年3月25日に自発的に学位返上を申し出ていた。本人は「筑波大の指導教官から『基礎的研究の部分はこれを援用しなさい』と資料を渡されたので、それをかなり引用した。教官が私のためにまとめてくれたと思っていたので、転用したという気持ちは今もない。今年三月に似ているという指摘を受けたため、私の良心として自分から学位の返上願を出した」と主張した(『読売新聞』1994年6月23日付夕刊。また、『朝日新聞』同日付夕刊も参照)。
 なお、『読売新聞』は文部省大学課の「学位の取り消しは聞いたことがない」というコメントを紹介している。
 データベース上には未掲載か。

◆2005年6月/兵庫医科大学/博士(医学)

 2004年3月31日学位授与、2005年6月16日取消。データベースに学位取消とあるが詳細は不明。

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000312558
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000007792767

◆2009年7月/九州大学/博士(工学)[論文博士]

 2001年6月20日学位授与、2009年7月17日取消。2006年10月3日、「データ記載に不適切な点等がある」とする告発があり、2007年6月から工学府調査委員会を設置して調査を開始、研究不正があったとして九州大学学位規則に基づき学位が取り消された。
 調査の結果、博士学位論文中に記載されている物質と実際に実験に使用した物質が異なっていたことが判明した。提出者は化学メーカーに勤務しており、実際に使った物質は企業秘密なので公開できなかった、と主張したが、そのことは論文中に明示されていなかった。また、論文中のグラフと実験データに齟齬があることも判明した。

【大学側発表】
学位論文における研究不正行為の認定及び学位授与の取消しについて(2009年8月5日)
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/1989/%E5%AD%A6%E4%BD%8D%E8%AB%96%E6%96%87%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E8%A1%8C%E7%82%BA%E3%81%AE%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%AD%A6%E4%BD%8D%E6%8E%88%E4%B8%8E%E3%81%AE%E5%8F%96%E6%B6%88%E3%81%97%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000207293
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000000405306

◆2010年3月/東京大学/博士(工学)

 2003年3月28日東京大学大学院工学系研究科より学位授与、2010年3月2日取消。東京大学では初めての例となった。提出者は2010年3月当時東京大学工学系研究科助教、トルコ国籍。
 2009年11月13日、外部からの告発を受け調査委員会を設置。調査の結果、博士学位論文の約4割が他人の著作物からの盗用だったことが判明、さらに他の論文での盗用、学歴・経歴の詐称、研究実績の捏造、研究費の不正利用なども判明したため、東京大学工学系研究科助教を懲戒解雇された。また、論文主査をつとめた大学院工学系研究科教授についても、停職1月の懲戒処分となった。東京大学としては初めての学位取り消しとなった。

※インターネット上での問題提起により問題が浮上した、おそらく日本初の事例であり、一般マスメディアでも大きく報じられた。

【大学側発表】
博士の学位授与の取消しについて(2010年3月5日)
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_220305_j.html
博士論文に関する不正行為をめぐる問題について(2010年11月16日)
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_221126_j.html

※その他、東大から発表された関連記事は以下を参照。
科学研究行動規範に関する報道発表資料等
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/administration/codeofconduct/press.html

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000352403
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000008445925

◆2010年3月/名古屋市立大学/博士(経済学)

 2009年9月名古屋市立大学大学院経済学研究科より学位授与、2010年3月取消。
 博士論文の一部を紀要に掲載したところ、別の研究者から「図版など、私の学術書の内容に似ている」という指摘があり、調査の結果、図版4ヶ所などが酷似していることが判明、剽窃と認定された。2010年3月30日公表(『朝日新聞』2010年3月30日夕刊名古屋版)。
 データベース上には未掲載?

◆2010年11月/四国大学

 四国大学大学院経営情報学研究科において、2人の大学院教授(うち1人は研究科長兼経営情報学部長)に対し、博士論文未提出にもかかわらず「梗概」のみで審査を行い、論文が未完成にもかかわらず学位を授与していたことが発覚した。2010年11月11日調査委員会設置、博士号返上要求(『朝日新聞』2010年11月12日付朝刊徳島版、同・21日付朝刊徳島版)。
 学位論文そのものが存在していないため、データベース上には不掲載?

【大学側発表】
四国大学大学院学位授与問題について(2010年12月1日)
http://www.shikoku-u.ac.jp/dousoukai/pdf/apology.pdf

◆2010年12月/広島国際学院大学/博士(社会学)

 2010年3月10日学位授与、2010年12月22日取消。
 2010年10月、博士学位論文をもとにした著書について、盗用疑惑があるとする指摘が出される。調査委員会による調査の結果、博士学位論文に引用と明示されていない引用があることが発覚、本人も盗用を認めたため、学位および単位認定を取り消し、退学処分とした。

【大学側発表】
学位授与の取り消しについて
http://office.hkg.ac.jp/~jimu/data2/news/gakui-torikeshi/

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000512348
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000010945953

◆2011年1月/広島大学/博士(学術)

 2007年3月7日学位授与、2011年1月18日取消。広島大学としては初。提出者は中国籍。
 2009年8月25日、博士学位論文をもとにした著書について、「無断引用」があるとする指摘を、引用された本人が指摘した。調査の結果、博士学位論文に4000字を超える「無断引用(盗用)」があることが発覚、特に冒頭の「本研究の成果」については全体の約45%(約1000字)が盗用であった。

【大学側発表】
学位授与の取消し及び学位記の返還について(2011年1月18日)
http://www.hiroshima-u.ac.jp/news/show/id/9962

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000394253
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000008938425

※「無断引用」は大学側の表現。「実際には引用であるにもかかわらず、引用文であることが示されていない」(著作権法第34条第1項の「公正な慣行」「正当な範囲」に合致しない引用)という意味であろうが、「原著者の許諾なしに引用している」(著作権法第34条第1項で許されている引用)という意味に誤解される恐れがある。他大学でも同様の表現をしている例があるが、「盗用」「不正引用」など他の表現を用いるべきではないだろうか?

◆2011年12月/東京大学/博士(教育学)

 2009年7月8日学位授与、2011年12月5日取消。
 2011年5月22日、論文に不正行為があるとする指摘があり、調査を行ったところ、博士学位論文に出典を記載しない引用が13ヶ所、出典は記載しているが引用部分が不明確な引用が1ヶ所あり、博士学位論文をもとにした単著でも修正されていなかった。また、2本の原著論文にいて全体の約5割が盗用であった。東京大学としては2人目の学位取消。

【大学側発表】
東京大学社会科学研究所助教に係る論文等の不正行為及び博士の学位授与の取消しについて(2011年12月9日)
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_231209_j.html

【CiNii-D】http://ci.nii.ac.jp/naid/500000352403
【NDL-OPAC】http://id.ndl.go.jp/bib/000011104825

続き:2012〜2016年

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2016年12月01日

なぜ日本人は「なぜ日本人は」という題名の本を出したがるのか?

 最近、書店の店頭で「なぜ日本人は」とつく題名の本をむやみやたらと見かける気がするので、国立国会図書館サーチ検索結果)とCiNii Books検索結果)の検索結果をリストアップしてみた。
 題名もしくは副題が「なぜ日本人は」式のものになっているものを列挙してみたのだが、内容の詳細な確認はしていないので、ノイズもあると思われるし、逆に見落としもあるかもしれない。


■1965年

『英語の新しい学び方:なぜ日本人は上達しないか』〔講談社現代新書〕(松本亨/講談社/1965年8月)

■1966〜1987年 なし

■1988年

『なぜ日本人は働きすぎるのか』(猪瀬直樹+信州大学客員講師団/平凡社/1988年12月)

■1989年

『松本道弘の英語革命:なぜ日本人は英語をモノにできないのか』(松本道弘/ダイヤモンド社/1989年9月)
『なぜ、日本人は誤解されるか:低い視点から――国際化と日本人』(安田千恵子/堀内出版/1989年10月)

■1990年

『日本人の失敗:なぜ日本人は国際交渉に弱いのか』(小澤四郎/リヨン社/1990年1月)
『なぜ日本人は英語が下手なのか』〔岩波ブックレット〕(ピーターセン,マーク+ほか/岩波書店/1990年2月)
『なぜ日本人は英語が下手なのか』(ピーターセン,マーク+ほか/京都ライトハウス点字出版部/1990年9月)

■1991年

『甘くて脆い日本人:なぜ日本人は国際交渉に失敗しつづけるのか』(小沢四郎/リヨン社(発売=二見書房)/1991年5月)
『戦略能力の時代:なぜ日本人は戦略が下手なのか、苦手なのか』(北岡俊明/展転社/1991年5月)
『ナゼ日本人ハ死ヌホド働クノデスカ?:対談』〔岩波ブックレット〕(ラミス,ダグラス+斎藤茂男/岩波書店/1991年6月)
『なぜ!日本人は、勤勉・器用・裕福なの?:二ケ国語保存版』(福本和敏/メディア企画/1991年12月)

■1992年

『勝者・日本の不思議な笑い:なぜ日本人はドイツ人よりうまくやるのか?』(エーデラー,ギュンター;増田靖[訳]/ダイヤモンド社/1992年8月)

■1993年

『アメリカ人と堂々わたりあう本:なぜ、日本人は討論・交渉下手なのか』(企業OBペンクラブ/マネジメント社/1993年1月)

■1994年

『「時間」の秘密:知りたかった博学知識:なぜ日本人は「3分間」にこだわるのか』〔KAWADE夢文庫〕(博学こだわり倶楽部[編]/河出書房新社/1994年11月)

■1995年 なし

■1996年

『日本を蝕む精神病理:なぜ日本人は変わってしまったのか』〔ベストセラーシリーズ「ワニの本」〕(和田秀樹/ハローケイエンターテインメント/1996年6月)
『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』(福田和也/角川春樹事務所/1996年12月)

■1997年

『続 なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』(福田和也/角川春樹事務所/1997年7月)
『中国・韓国の歴史歪曲:なぜ、日本人は沈黙するのか』〔カッパ・ブックス〕(黄文雄/光文社/1997年8月)
『言霊 2:なぜ日本人は事実を見たがらないのか』〔NON BOOK 愛蔵版〕(井沢元彦/祥伝社/1997年12月)

■1998年

『なぜ日本人は日本を愛せないのか:この不幸な国の行方』(ウォルフレン,カレル・ヴァン;大原進[訳]/毎日新聞社/1998年3月)
『壊滅:なぜ日本人はかくも幼稚になったのか 3』(福田和也/角川春樹事務所/1998年4月)

■1999年

『日本の決断:なぜ日本人はかくも幼稚になったのか 4』(福田和也/角川春樹事務所/1999年2月)
『なぜ日本人はプレッシャーに弱いのか』(児玉光雄/三天書房/1999年7月)

■2000年

『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』〔ハルキ文庫〕(福田和也/角川春樹事務所/2000年1月)
『なぜ日本人はいつも不安なのか:寄る辺なき時代の精神分析』(岸田秀+町沢静夫/PHP研究所/2000年5月)
『中国人との交渉術:なぜ日本人はいつも中国人に交渉で負けるか?』(李年古/学生社/2000年12月)

■2001年

『言霊II:なぜ日本人は、事実を見たがらないのか』〔祥伝社黄金文庫〕(井沢元彦/祥伝社/2001年9月)

■2002年

『雑学宮本武蔵の人間学:なぜ日本人は不敗の武芸者にひかれるか』〔講談社+α文庫〕(雑学倶楽部/講談社/2002年10月)

■2003年

『なぜ日本人は賽銭を投げるのか:民俗信仰を読み解く』〔文春新書〕(新谷尚紀/文藝春秋/2003年2月)
『なぜ日本人は成熟できないのか』(曽野綾子+クライン孝子/海竜社/2003年4月)

■2004年

『なぜ日本人は日本語が話せるのか:「ことば学」20話』(今井邦彦/大修館書店/2004年3月)

■2005年

『なぜ日本人はイラクに行くのか』〔平凡社新書〕(吉岡逸夫/平凡社/2005年3月)
『なぜ日本人は謝り続けるのか:喝!』(岡本幸治/致知出版社/2005年8月)
『なぜ日本人は「ごんぎつね」に惹かれるのか:小学校国語教科書の長寿作品を読み返す』(鶴田清司/明拓出版(発売=星雲社)/2005年11月)

■2006年

『中国人との交渉術:なぜ日本人はいつも中国人に交渉で負けるか?』(李年古/学生社/2006年9月)
『なぜ、日本人は韓国人が嫌いなのか。:隣の国で考えたこと』(岡崎久彦/ワック/2006年11月)

■2007年

『なぜ日本人は劣化したか』〔講談社現代新書〕(香山リカ/講談社/2007年4月)
『決定力:なぜ日本人は点が取れないのか』(福田正博/集英社/2007年4月)

■2008年

『コスプレ:なぜ、日本人は制服が好きなのか』〔祥伝社新書〕(三田村蕗子/祥伝社/2008年1月)
『なぜ日本人は学ばなくなったのか』〔講談社現代新書〕(齋藤孝/講談社/2008年5月)

■2009年

『なぜ、日本人は?:答えに詰まる外国人の質問178』〔EJ対訳ブックス〕(内池久貴+Office Miyako;ブレーズ,マイケル[訳]/ジャパンブック/2009年1月)
『なぜ、日本人は桜の下で酒を飲みたくなるのか?』(西岡秀雄/PHP研究所/2009年3月)
『なぜ日本人は神社にお參りするのか』(小堀桂一郎/海竜社/2009年6月)
『非社会性の心理学:なぜ日本人は壊れたのか』〔角川oneテーマ21〕(加藤諦三/角川書店/2009年9月)
『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』〔WAC BUNKO〕(石平/ワック/2009年11月)
『一撃必殺の思想:なぜ日本人は「一本」を求めるのか』(飯田祐子/ブイツーソリューション(発売=星雲社)/2009年12月)

■2010年

『考えよ!:なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』〔角川oneテーマ21〕(オシム,イビチャ/角川書店(発売=角川グループパブリッシング)/2010年4月)
『なぜ日本人は落合博満が嫌いか?』〔角川oneテーマ21〕(テリー伊藤/角川書店/2010年5月)
『メディア症候群:なぜ日本人は騙されているのか?』(西村幸祐/総和社/2010年9月)

■2011年

『なぜ日本人はとりあえず謝るのか:「ゆるし」と「はずし」の世間論』〔PHP新書〕(佐藤直樹/PHP研究所/2011年3月)
『なぜ日本人はマネジメントが苦手なのか:「PDCA」ではダメ、「Ph.P手法」で考えよう』(岡本薫/中経出版/2011年3月)
『なぜ日本人ゴルファーは韓国人に勝てないのか?』(茂木宏一/エンターブレイン(発売=角川グループパブリッシング)/2011年4月)
『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか:変わりゆく死刑基準と国民感情』〔幻冬舎新書〕(森炎/幻冬舎/2011年5月)
『なぜ日本人だけが喜んで生卵を食べるのか』〔ワニブックス〈plus〉新書〕(伊丹由宇/ワニ・プラス(発売=ワニブックス)/2011年10月)

■2012年

『なぜ日本人はモーツァルトが好きなのか』〔幻冬舎ルネッサンス新書〕(匠薫/幻冬舎ルネッサンス/2012年2月)
『なぜ、日本人はうまくいくのか?:日本語と日本文化に内在された知識模式化技術〜ナレッジモデリング〜』(七沢賢治/文芸社/2012年3月)
『日本人『発展の力学』:なぜ、日本人はうまくいくのか?:インタビュー編』(七沢賢治+一條仁志/文芸社/2012年4月)
『なぜ、日本人はうまくいくのか? ビジネス編』(七沢賢治+一條仁志/文芸社/2012年5月)
『なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか:新・言霊論』〔祥伝社新書〕(井沢元彦/祥伝社/2012年9月)
『日本語の宿命:なぜ日本人は社会科学を理解できないのか』〔光文社新書〕(薬師院仁志/光文社/2012年12月)

■2013年

『日本人の英語勉強法:在日39年、7000人の日本人を教えてわかったこと:なぜ日本人はこんなにも英語ができないのか? = How to learn English for Japanese』(バーダマン,ジェームス・M/KADOKAWA/2013年1月)
『なぜ日本人は世間と寝たがるのか:空気を読む家族』(佐藤直樹/春秋社/2013年4月)
『なぜ日本人サイドバックが欧州で重宝されるのか』〔宝島社新書〕(北健一郎/宝島社/2013年7月)
『なぜ、日本人はモノを買わないのか?:1万人の時系列データでわかる日本の消費者』(野村総合研究所+他/東洋経済新報社/2013年8月)
『富士山:なぜ、日本人は魅せられるのか?』〔TOWN MOOK〕(徳間書店/2013年8月)

■2014年

『反日プロパガンダの近現代史:なぜ日本人は騙されるのか』(倉山満/アスペクト/2014年2月)
『なぜ日本人は「わきの下」も英語で言えないのか?:学校では教えてくれない英語基本表現1200』〔SB新書〕(セイン,デイビッド/SBクリエイティブ/2014年3月)
『なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか』(本田直之/ダイヤモンド社/2014年3月)
『なぜ日本人は、あの戦争を始めたのか:狂ってしまった日本人の「戦争時計」』(田代靖尚/主婦の友社/2014年8月)
『英語国民の頭の中の研究:なぜ日本人はコトバの壁を越えられないのか』(副島隆彦/PHP研究所/2014年9月)
『「世代」の正体:なぜ日本人は世代論が好きなのか』〔河出ブックス〕(長山靖生/河出書房新社、2014年12月)

■2015年

『なぜ日本人は戒名をつけるのか』〔ちくま文庫〕(島田裕巳/筑摩書房/2015年1月)
『なぜ日本人は「世間」を気にするのか』(三浦朱門/海竜社/2015年1月)
『なぜ日本人は歯を大切にしないのか:後悔のない人生のために:オシャレで元気!』(領木誠一/ダイナミックセラーズ出版/2015年1月)
『なぜ日本人はご先祖様に祈るのか:ドイツ人禅僧が見たフシギな死生観』〔幻冬舎新書〕(ネルケ無方/幻冬舎/2015年5月)
『なぜ日本人は韓国人にこんなになめられ続けるのか?』(金智羽/夏目書房新社/2015年5月)
『なぜ、日本人は横綱になれないのか』〔WAC BUNKO〕(舞の海秀平/ワック/2015年5月)
『なぜ日本人は、一瞬でおつりの計算ができるのか』(川口マーン惠美/PHP研究所/2015年6月)
『和を求めて:なぜ日本人は平和を愛するのか』(一条真也/三五館/2015年10月)

■2016年

『なぜ、日本人は考えずにモノを買いたいのか?:1万人の時系列データでわかる日本の消費者』(野村総合研究所/東洋経済新報社/2016年11月)
『なぜ日本人は「のし袋」を使うのか?』〔淡交新書〕(齋藤和胡/淡交社/2016年12月)

 ……気がするどころではない。最近10年くらいの間に露骨に増えている。
 ちなみに私は、この手の問いには基本的に「設問の前提が間違ってる。なんでもかんでも日本人一般の話にすんな」と答えることにしてます。
タグ:日本人論
posted by 長谷川@望夢楼 at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 書物の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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