2009年07月01日

シンポジウム「「北東アジア史」の地平――その意義と問題点」

 7月31日に千葉大学でシンポジウムが開催されますので、ご案内します。なお、事前申し込み、参加費等は不要です。

シンポジウム「「北東アジア史」の地平――その意義と問題点」

日時 2009年7月31日(金) 午後1時から5時30分

報告
 1 鄭在貞(Chung, Jae-Jeong 韓国・ソウル市立大学)
   「北東アジア史の意義」

 2 孫歌(Sun Ge 中国・社会科学院文学研究所
   「北東アジア史の問題点」

コメンテータ
 1 李卓(中国・南開大学日本研究院)
 2 南相九(韓国・北東亜歴史財団)
 3 Victor Koschmann (アメリカ・コーネル大学)

司会  三宅明正(日本・千葉大学)

場所  千葉大学 社会文化科学研究系総合研究棟2階
         マルチメディア会議室
     下記のサイト21番「社会文化科学系総合研究棟2階」
     http://www.chiba-u.ac.jp/general/about/map/nishichiba.html
交通 JR総武線西千葉駅 京成千葉線みどり台駅 徒歩各10分

使用言語 日本語。適宜ハングル中国語英語を使用。会場で日本語に翻訳します。

主催 「北東アジアにおける「記憶」と歴史認識に関する総合的研究」(科学研究費)グループ/千葉大学人文社会科学研究科地域研究センター
協賛 「近代移行期北東アジアにおける秩序構想の比較社会史」(科学研究費)グループ/千葉大学「実践的公共学実質化のための教育プログラム」(大学院GP)

http://www.history.l.chiba-u.jp/~northeastasia/
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同時代史学会・第22回研究会のお知らせ

同時代史学会第22回研究会

共通テーマ:ジェンダーとグローバリゼーション・軍事化

報告
 青山薫氏(京都大学文学研究科GCOE)
  「グローバル化を生きる――女性の移住‘性’労働と人身取引禁止動向」
 秋林こずえ氏(立命館大学)
  「ジェンダーの視点から考える“戦後”――沖縄からの声」

コメント
 佐藤文香氏(一橋大学)
 林博史氏(関東学院大学)

日時:2009年7月11日(土曜日) 14:00〜18:00
場所:立教大学12号館第3・4会議室
参加費:無料

http://jachs.hp.infoseek.co.jp/
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2009年03月30日

で、結局森田健作ですか……。

 勘弁してください。
 おそらくそういうことになるんじゃないかと予想はしていたとはいえ、やはり、実現してしまうと憂鬱になるってもんである。
 とにかく、教育現場に対する有害無益な締め付けがこれ以上悪化しないことを祈るばかりです。あと有害無益な経費節減も。無理だろうなぁ。

 それにしても、まさか成田〜羽田リニアなんてものが現状で実現可能だとは思いませんが……。
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2009年03月25日

もし森田健作が千葉県知事に当選したりしたら……

……千葉県から亡命したほうがいいんじゃないか? などと少々真面目に考えだしている今日この頃である。いちおう近現代史研究者のはしくれとして、日本教育再生機構の賛同者に名を連ねてしまうような人間など断じて支持できないのだが。下手に教育に口を出されたりするととろくなことにならないのは目に見えているし、そうなれば身の回りに実害が及びかねないし。
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2009年03月11日

パソコン新調

 ついに、というか、ようやく、というか、パソコンを新調しました。

 いままで8年ほど使っていたノートパソコンが、ただでさえ OS が Windows Me (笑)である上、 CD-ROM ドライブが不調のため再インストールもアップグレードもできず、ハードもソフトも洒落にならないくらい不安定な状態で(一度、ある原稿の〆切直前に完全にシステムが動かなくなってしまったときは、本気で血の気がひいた。そのときはなんとか復旧したのだが)、なんとか騙し騙し使い続けてきたのだが、ここにきて液晶ディスプレイが死んでしまったのである。もちろん保証期間なんかとうの昔に過ぎている。幸いにして、テレビを外付けディスプレイ代りにつかえたので、ハードディスク内のデータを USB メモリに移し替えることだけはできたのだが。
 とにかく、これではもはやどうしようもないので、貯金をはたいて新しいノートパソコンを買ってきたわけである。 Windows Vista もあまり評判のよろしくない OS ではあるけれど(昔からパソコンを買うタイミングにはどうも恵まれない)、まあ、とりあえず、安定して動いているだけでもありがたい。
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2009年01月02日

加納久朗『新しい首都建設』

 1962年(昭和37)から1963年(昭和38)にかけて千葉県知事をつとめた、加納久朗(かのう・ひさあきら、1886-1963)という人物がいる。

 父の加納久宜(かのう・ひさよし、1847-1919)は上総一宮藩*1の最後の藩主で、のち子爵となり、鹿児島県知事(在任1894-1900)、一宮町長(在任1912-19)を歴任している。久朗自身は横浜正金銀行*2ロンドン支店支配人、取締役などを歴任、戦後は日本住宅公団*3の初代総裁(在任1955-59)を経て、1962年(昭和37)の千葉県知事選挙に自民党の支援を経て立候補、現職の柴田等を破り当選。しかし、就任当時すでに70代の高齢ということもあり、在任わずか110日で急逝している。

*1 現在の千葉県長生郡一宮町を中心とした藩。 *2 1880年から1946年まで存続した半官半民の外国為替専門銀行。現在の三菱東京UFJ銀行の前身のひとつ。 *3 現在の独立行政法人都市再生機構の前身のひとつ。

 さて、その加納が1959年(昭和34)10月に時事通信社より上梓した、『新しい首都建設』という書がある。加納は、この前年に東京湾の大規模埋め立てによる新首都建設を提唱しており、本書はこの計画の解説書となっている。

 まず、加納が提唱する埋め立て計画は次のようなものである(〔…〕内は引用者註。強調は引用者による。以下同じ)。

 まず、いまの晴海埠頭を頂点として、一方は千葉県の富津岬まで一直線に線をひいて、その内側、つまり千葉県寄りを全部埋立ててしまう、この埋立てによって二億四千三百〔万〕坪すなわち約八百三平方キロの土地が新たにできる。もう一方は同じく晴海から羽田岬まで直線を引いて、神奈川県寄りを埋立ててしまう、これで九百五十万坪約三十一平方キロの土地ができるから、両方合わせて、二億五千二百五十万坪すなわち約八百三十四平方キロの土地を新たに造成しうる計算になる。これは現在の東京二十三区の面積一億七千五百万坪にたいして、実にその約一倍半の面積をつくることになるわけである。〔p. 29〕

 つまり東京湾の東半分をすべて埋め立てるというプランなのである。そして、この埋立地に皇居を含め首都機能を移転し、新首都「ヤマト」*4を建設する。また、富津岬附近に国際空港を設置する。水資源は利根川上流に沼田ダム*5を建設し、さらに霞ヶ浦と印旛沼を貯水池化することによってまかなう。

*4 この呼び名については、次のような「ある人」の提案を受け入れたのだという。「〔「東京」という名は〕中国の真似である。こんどは新しく、民主的でかつ国際的な首都をつくるのだから、必ずしも「新東京」という名称に固執する必要はない。そこで日本本来の名称である「ヤマト」と呼ぶことにしたらどうか、というのである」(p. 26)。 *5 群馬県沼田市一帯を日本最大級の巨大ダム湖とする構想。建設省関東地方建設局の正式な事業であったが、地元の猛反対により1972年(昭和47)に白紙撤回された。→ Wikipedia沼田ダム計画

 なお、産業計画会議*5が1959年(昭和34)7月29日に発表した『東京湾2億坪埋立についての勧告』(ネオトウキョウプラン)は、加納が中心となって取りまとめたものである。やはり大規模埋め立て計画ではあるが、加納自身の「ヤマト」プランとは内容が異なっている。ちなみに、現在の東京湾アクアラインへとつながる東京湾横断堤・横断橋構想は、この計画の中で提唱されたものである。

*5 “電力の鬼”の異名をとった実業家、松永安左エ門(1875-1971)が主催したシンクタンク。なお、『東京湾2億坪埋立についての勧告』と同時に、沼田ダムの建設を提唱した『東京の水は利根川から』も発表されている。

 では、これだけの大規模埋め立てに使う土はいったいどこから持ってくるのか。

 しかしなんにしても、これだけの埋立てをやるに必要な土の量は、ちょっとやそっとのことではない。そこで私は、房総半島の山々をとり崩して、その岩石や土砂を埋立てに使うのが、あとでも述べるように一石二鳥でも三鳥でもあって、一ばんいいと考えている。〔pp. 42-43〕

 房総丘陵の山々を埋め立てに利用する、というのは、1960年代の埋め立てにおいて実現することになる。しかし、加納の案が凄いのはそこからである。

 まず鹿野山〔かのうざん。現・君津市にある山〕である。鹿野山の付近は雑木林が多く、小さい山々が起伏しているが、一ばん高い鹿野山でも三百六十メートル〔現在の地形図では 379m〕にすぎない。この付近の土は、赤土と砂利がまじったものであって、これを崩すのはむずかしいことではない。つぎは鋸山〔のこぎりやま。現・富津市と鋸南町の境界にある山〕である。これも高さはわずか三百二十五メートル〔現在の地形図では 329.5m〕である。ただ鋸山の方はほとんど全山が水成岩から成っているので、この山を崩すには従来のようなダイナマイトによる爆破方法ではなく、核爆発によって山全体をゆるませ、岩石を掘りとるという方法を考えている。この核爆発を利用する方法は、アメリカがソビエトの了解のもとに、一九六〇年にアラスカで核爆発による築港工事を行なうことを計画しているが、アメリカの科学者の調べによると、ダイナマイトを使ってやると五千六百万ドルもかかるものが、核爆発を利用すると五百万ドルの費用ですむ計算になるという。また放射能は地下爆発の場合、すべて岩と土砂が吸収してしまうから、人体への害にはならない。したがって、鋸山の爆破にこれを利用することは可能であり、合理的である。〔p. 43〕

 正直いってこの箇所を読んだときは唖然とした。観光名所である鹿野山や鋸山を崩して埋め立てに使う、というプランもさることながら、それに核爆発を用いる、という豪快さが凄まじい。

 「アラスカで核爆発による築港工事」とは、「チャリオット計画」(Operation Chariot またはプロジェクト・チャリオット Project Chariot)のことと思われる(→ Wikipedia: チャリオット作戦)。“水爆の父”エドワード・テラーの提唱によるもので、水爆を用いて掘り込み式の港を作る計画であったが、地元の猛反対などにより1962年に中止に追い込まれている。

 核爆発を土木工事に利用することは「平和的核爆発」と呼ばれ、冷戦期に米ソをはじめ各国で研究が進められた。特にソ連では大々的に実験が進められたものの、放射能汚染問題がついに解決できずに終わっている。貯水湖として作られたはずだったが、放射能汚染で使い物とならなくなった、セミパラチンスク核実験場(カザフスタン)の「原子の湖」ことチャガン湖などがよく知られている。また、1970年代には、クラ地峡(マレー半島の付け根にある地峡、タイ領)を水爆で掘削し、運河を作るという計画が問題になったことがある。

 で、山を取り崩して平たくなった房総半島は、大規模農地として活用する、というプランなのだが……。

 加納のこのプランは、その後のさまざまな首都機能移転構想や東京湾大規模開発構想の原形となった。言うまでもなく、加納のプランが実際に実行されることはなかった。とはいえ、加納の後継者である友納武人知事(1914-99, 在任1963-75)のもと、千葉県では大規模埋め立て事業が次々と実施される。全域の 3/4 が埋立地からなる浦安市、全域が埋立地からなる千葉市美浜区などが典型的であろう。そして結果的に、千葉県内では自然海岸のほとんどが消失し、次々と山が削られ、後には農地ではなく、大量のゴルフ場が残されることになったのである。

 それにしても、実際に鋸山が水爆で取り崩されるようなことがなかったのは幸いだった、というべきだろう。

posted by 長谷川@望夢楼 at 08:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 千葉県の歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月01日

あけましておめでとうございます

 本年もよろしくお願い申し上げます。

 昨年は初めての自著を上梓する、という、私にとって大きな節目となる年になりました。幸い、拙著については少なからぬ好意的な評価をいただくことができました。が、いつまでもそこにとどまっていても仕方が無いので、今年こそはもっと先に進んで行こうと思います。どちらの方向に進んでいるのか、私自身がいまひとつつかみかねている、というのが大きな問題ではあるのですが……。
 とりあえず、今年もマイペースでやっていくつもりです。

 今年が皆様にとって少しでも良い年になりますように。
posted by 長谷川@望夢楼 at 01:04| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月02日

幻の「房総新幹線」構想

 最近、とある仕事で千葉県関係の古い新聞雑誌などに大量に目を通す機会があり、その中でいろいろ妙な記事が目にとまることがあった。この「房総新幹線」もその一つである。
 あらかじめ念のためにいっておくが、実際に一部着工されながら未成線に終わった「成田新幹線」(東京――成田空港間)とは全く別のモノである。

 『千葉日報』1969年(昭和44)1月1日付朝刊に、「千葉県の未来図 二十年後の郷土の姿」と題された地図が掲載されている。千葉県が同年3月に公式に策定することになる「千葉県長期計画」に基づいた将来の千葉県の予想図である。
 この地図には、房総半島を横断する「房総新幹線」なるものが描きこまれている。この「新幹線」は、「東京湾横断堤」から木更津を経て鴨川に至る、というルートをとっている。

 この路線について、『千葉県新長期計画書』(千葉県企画部企画課=編集・発行、1969年3月)には、

「東京湾房総横断路線
 東京湾横断橋,横断堤の完成に伴い鉄道を敷設するとともに,都心と南房総,九十九里地域を直結する木更津―茂原,木更津―鴨川線等地域開発路線の建設を促進する。
 このうち鴨川―東京間については,新幹線方式の採用を検討する。」(p. 240.)

とある。なお「千葉県新長期計画」は、基準年次を昭和40年(1965年)、目標年次は昭和60年(1985年)とする計画であった。
 ここで、「東京湾横断橋」「東京湾横断堤」は、ともに東京湾環状道路計画の一環として計画された路線である。「横断堤」は川崎〜木更津間をつなぐ堤として計画されたもので、のちに東京湾アクアラインという形で実現することになる。また「横断橋」のほうは、富津岬から浦賀水道をはさんで三浦半島に至る橋として計画されたもので、のちの「東京湾口道路」計画とほぼ同じものである。
 つまり、ここでは川崎〜木更津間の「横断堤」上に新幹線を走らせ、さらに、その延長として、鴨川まで新幹線を通す、という案だったわけである。

 木更津から鴨川方面へは、途中まで久留里線が伸びているが、これとは別の路線とする案であったようである。いずれにせよ、鴨川まで新幹線を通すためには、房総丘陵をむりやり、ほとんど直線状に突っ切る必要がある。
 はっきりいって、どこまで本気だったのかよくわからない計画である。安房鴨川は現在でも東京から特急で2時間半かかる遠隔地だが、新幹線の建設・維持費用に見合うだけのメリットがあるとも思えない。高度経済成長期の夢のかけらと考えるべきなのだろう。
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2008年11月20日

「望夢楼」13周年

 ちっとも更新が出来ていませんが、11月20日で13周年になるのです。
 「幻想諸島航海記」は、よく「更新停止中?」などといわれていますが、書いている本人としてはそういうつもりはないのです。ただ単に書き上げるのが滅茶苦茶遅いだけです。愉しいんだけどね、書くこと自体は。
posted by 長谷川@望夢楼 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月20日

歴史学研究会近代史部会11月例会のご案内

歴史学研究会近代史部会11月例会
ナショナルヒストリーのつくり方」

日時:11月9日(日)13:00〜

会場:早稲田大学26号館(大隈記念タワー)302教室
   東京メトロ東西線早稲田駅 徒歩3分 [地図

参加費:レジュメ代のみ、実費をいただきます

報告:立石洋子氏
   「スターリン政権期のソ連における自国史像の変遷」

   長谷川亮一氏
   「皇国史観」における「日本」の範囲と「八紘為宇」の理念
    ――文部省編纂書籍を中心に」
 
※参考文献
 長谷川亮一『「皇国史観」という問題』(白澤社,2008年)
 立石洋子「ソ連における「国民史」の創造」(『歴史学研究』845,2008年)

主催:歴史学研究会近代史部会
http://rekiken-kindai.blogspot.com/

 ……というわけで報告をします。興味ある方はぜひご参加ください。
 私の報告は拙著の内容をあまり越えられないものになると思いますが。
posted by 長谷川@望夢楼 at 06:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 歴史学(研究会のお知らせ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする